全日本学生囲碁王座戦 特別対局

平成24年2月11日、銀座インターネットフォーラムにて、昨年12月の第10回学生囲碁王座戦を制した
田中伸幸さん(立命館大学)と、張栩王座が対戦する学生囲碁王座戦特別記念対局がおこなわれました。
この対局は、プロの王座と学生王座が対局するという企画です。

対局前に張栩王座から田中学生王座に
張栩王座の著作『よんろのご』が贈られた。
笑顔で挨拶が交わされ、和やかな雰囲気が漂う。

過去の通算結果は学生側の二勝三敗となっている。
張栩王座は4回目の参加である。

 
 
対局は自由置き碁2子、逆コミ4目半、持ち時間は
1時間と1手30秒である。

自由置き碁ではあるが、田中学生王座の通常通り
の2子局と同じ配置で始まった。
「通常に置いた方が王道のような感じがした。
プロの先生に教えてもらう機会などあまりないため、
通常通りに置いて自分の力を試したかった」と
田中学生王座は語る。
 
 
60手目は辛い手ではあるが、今打つ手ではなかった。
3-Dに着けるか、3-Fにかかるのが相場だった。
実戦のように黒に厚みをつけられては白がつらい。
その後も黒は厚みを生かし手厚く進めていく。

102と白が滑った際に7-Gとのぞき、中央白を切断して
おく必要があった。「のぞく手は考えたが、愚形を
避けてしまった。」と田中学生王座は言う。
 
 
黒103の打ち込みは強手。白は取りにいくことが
できない形。これで地ははっきりと黒の方が多く
なった。白は122と勝負手を放つ。
だが、「先に13-Nとのぞいてから打つべきで
あった」と張栩王座は言う。

黒139手は勝着。次の141手で左辺黒の
大石は生き、田中学生王座はここで勝ちを確信する。

その後も張栩王座の反撃を許すことなく
冷静に対応し、見事、田中学生王座の
177手完黒番中押し勝ちとなった。
 
 

今回の対局は、日本経済新聞社HP 
NIKKEINETにて ライブ中継されました。

対局後の感想
張先生 「一方的にやられました.。2子は厳しかったです。
田中さんは色々とよく考えているという印象を受けました。
これだけ強ければプロとしても活躍できるのではない
でしょうか。読みもしっかりしていて隙が無かったです。
機会があればまたぜひ打ちたいと思います。」
田中さん 「打つ前は緊張していましたが、対局中は
集中していい結果が出せたのでよかったです。
張栩先生と打ててとても楽しかったです。もうすぐ
世界王座戦があるので、いい勢いがつけばと思います。」

 
 


田中伸幸学生王座(黒)VS張栩王座(白)
2子局 白番4目半コミ出し 黒番中押し勝ち


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